全微分とかいう俺の心をポッキリと折るような意味不明な概念ってあるよね。
さっぱりわからなかったので授業資料読みながら概念を理解しようってしたわけよ。
まず定義。関数f:R^m→R^nがc∈R^mで全微分可能とは
∃g:N^m→N^n (線形写像) ,∀ε > 0 , ∃δ > 0 , |v| < δ ⇒ |f(c+v) - f(c) - g(v)| < ε|v|
であること。gは線形写像だからn×m行列Gが存在して g(v) = Gv とできるから
∃G∈M(R , n , m) ,∀ε > 0 , ∃δ > 0 , | v | < δ ⇒ | f(c+v) - f(c) - G(v) | < ε| v |
さらにランダウの記号を用いれば
f(c+v) = f(c) + Gv + O(| v |)
つまり全微分とは線形写像による近似であって
したがって(あくまで形式的な言い方だが)行列を作る操作である
この行列はヤコビ行列である
それがどうしたって話だがこのように考えるだけで結構楽になる
例えばf,g:R^m→R^nのcによる全微分で生成される行列をそれぞれF,Gとすると
a,b∈Rについてh=af+bgによる全微分で生成される行列Hは
(af+bg)(c+v) = af(c+v) + bg(c+v)
= af(v) + aFv + O(|v|) + bg(v) + bGv + O(|v|)
= (af+bg)(v) + (aF+bG)v + O(|v|)
= h(v) + Hv + O(|v|)
したがって H = aF + bG
他にもf:R^m→R^n,g:R^k→R^mについてh(c) = f(g(c)) とするとき
g(c)におけるfの全微分をF、cにおけるgの全微分をGとするとhのcにおける全微分Hは
f(g(c+v)) = f(g(c) + Gv + O(|v|))
= f(g(c)) + F(Gv+O(|v|)) + O(|v|)
= h(c) + FGv + O(|v|)
= h(c) + Hv + O(|v|)
のため H = FG だ
ほんとにそれがどうしたって話だが漠然と写像、と思うよりは楽だよねって話。
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